自己免疫病・アレルギー病においてB細胞が働く仕組み

大学院生命科学研究科

北村研究室


現在進行中の研究テーマ:

1. 疾患モデルマウスを用いたIgA腎症発病機構の研究:

腎糸球体特異的IgA自己抗体の産生機構、自己抗原の同定、IgA産生B細胞記憶形成機構

2. アレルギーの原因となる 自然IgE抗体産生誘導機構

3. T細胞非依存性抗体産生の誘導メカニズム

4. 腫瘍浸潤B細胞由来抗体による新規がん免疫療法の開発

その他



2024.2

IgA腎症モデルマウスおよび患者さんのIgA自己抗体の抗原としてメサンギウム細胞表面に発現するCBX3を同定しました。このIgA自己抗体はモデルマウス口腔内共生細菌にも結合し、この細菌とCBX3との分子模倣により自己抗体が産生されると考えられました。順天堂大腎臓内科との共同研究の成果です。

Oral bacteria induce IgA autoantibodies against a mesangial protein in IgA nephropathy.

Mizuki Higashiyama, Kei Haniuda, Yoshihito Nihei, Saiko Kazuno, Mika Kikkawa, Yoshiki Miura, Yusuke Suzuki, Daisuke Kitamura

Life Sci. Alliance 7(4): e202402588, 2024


2023. 10

記憶B細胞は液性獲得免疫の主役です。私たちは転写因子SpiBが抗アポトーシスおよびオートファジー遺伝子の発現を上昇させ、記憶B細胞の生存維持を担うことを見出しました。

SpiB regulates the expression of B-cell-related genes and increases the longevity of memory B cells

Shu Horiuchi, Takuya Koike, et. al.

Front. Immunol. 14: 2023. DOI:10.3389/fimmu.2023.1250719

 


2023.3

IgA腎症は腎糸球体メサンギウムにIgAが沈着することで発症しますが、IgA腎症のモデルマウスおよび患者さんにはメサンギウム細胞に対するIgA型自己抗体が存在し、その自己抗原がメサンギウム細胞の表面に発現していることを当研究室と順天堂大腎臓内科との共同研究により解明しました。

Identification of IgA autoantibodies targeting mesangial cells redefines the pathogenesis of IgA nephropathy.

Yoshihito Nihei, Kei Haniuda, Mizuki Higashiyama, et al.

 

Science Advances 9 (12) 2023

東京理科大学HP


2023.2

マウスにおいてIgE自然抗体が肺の中の細菌によって誘導されること、それは通常、肺のTLR-MyD88シグナルによって抑制されていることを博士課程3年の天野君が発見しました。

 

Commensal bacteria and the lung environment are responsible for Th2-mediated memory yielding natural IgE in MyD88-deficient mice.

Shunsuke Amano, Kei Haniuda, Saori Fukao, Hiroyasu Aoki, Satoshi Ueha and Daisuke Kitamura

Journal of Immunology 210(7):959, 2023

東京理科大学HP

J. Immunol.誌のTop Readsに選ばれました。


2023.1

2型T細胞非依存性免疫応答の誘導にB細胞に発現するDNase1L3が必要であることを博士課程3年の加藤君が発見しました。

 

B-cell-intrinsic DNase1L3 is essential for T-cell-independent type II response in mice.

Kei Kato, Kei Haniuda, Saori Fukao and Daisuke Kitamura

Int. Immunol. Online 2023

Int. Immunol.誌のEditors' Choiceに選ばれました。



2021.10

肺炎球菌などの2型T細胞非依存性抗原に対してB細胞がIgGを産生するのにB細胞受容体下流のPKCdeltaが必須であることを元研究員の深尾さんが発見しました。

 

Protein kinase Cδ is essential for the IgG response against T cell-independent type 2 antigens and commensal bacteria.

Saori Fukao, Kei Haniuda, Hiromasa Tamaki and Daisuke Kitamura


2020.11

胚中心B細胞分化に必須のBcl6の発現が、IL-4刺激によるTCAサイクルの変化を介したBcl6遺伝子ヒストンメチル化制御によることを明らかにした羽生田君の論文がCell Reports誌に掲載されました。

 

Metabolic reprogramming induced germinal center B cell differentiation through Bcl6 locus remodeling

Kei Haniuda, Saori Fukao and Daisuke Kitamura

Cell Rep. 2020. doi: 10.1016/j.celrep.2020.108333


2019.7

機能が異なる2種類の記憶B細胞が形成される機構を発見した小池拓矢君らの論文がeLife誌に掲載されました。

 

The quantity of CD40 signaling determines the differentiation of B cells into functionally distinct memory cell subsets

Takuya Koike, Koshi Harada, Shu Horiuchi and Daisuke Kitamura

eLife 2019;8:e44245 


2018.9

記憶B細胞上のIL-9受容体がリコール抗体産生に必要であることを明らかにした元助教の高塚翔吾君らの論文がNature Immunology誌に掲載されました。

 

IL-9 receptor signaling in memory B cells regulates humoral recall responses.

Shogo Takatsuka, Hiroyuki Yamada, Kei Haniuda, Hiroshi Saruwatari, Marina Ichihashi, Jean-Christophe Renauld and Daisuke Kitamura

Nature Immunology 19: 1025-1034, 2018 

https://rdcu.be/36B7




Photo news


2021.3.4

羽生田君・深尾さん壮行会


2020.8.8 研究科中間発表会

2020年度の中間発表会がZOOMで開催され、東山さんが最優秀賞を、万さんが優秀賞を獲得しました。


2019.11.16 還暦祝賀パーティー  

後飯塚教授・北村教授の還暦祝賀パーティーが開催されました。たくさんの卒業生が集まりました。


2019.10.28

DR. KLAUS RAJEWSKY 生命研セミナー


2019.10.28 dinner with klaus

生命研セミナーの後、Dr. Klaus Rajewskyと柏で和食をいただきました。


2019.10.26 生命研30周年記念シンポジウム